アメリカ矯正歯科学会(AAO)」は、世界最大の矯正歯科学会です。

毎年1回、開催する州をかえて行われます。今年の開催地は、ホワイトハウスのあるワシントンDCです。

ちなみに、2019年はロサンゼルス、2020年はホノルルです。

今回、そのアメリカ矯正学会に参加してきましたので、その内容をここに報告したいと思います。

世界のトレンドは

今回のアメリカ矯正学会では、「加速矯正治療(かそくきょうせいちりょう)」「デジタル矯正」「外科矯正」についての内容が充実しているに感じます。

世界の矯正治療のトレンドが、「より早く」「より確実に」「よりキレイに」という流れになっているためです。

有効な加速矯正はこれ!

加速矯正(かそくきょうせい)」または「急速矯正(きゅうそくきょうせいちりょう)」とは、歯列矯正にかかる治療期間を短くする治療法のことです。

その代表的なものに、①歯周外科治療を用いる方法、②振動を加える方法、③近赤外線やレーザー光を当てる方法があります。

気になるのは、「どの方法が効果的なのか・・・」あるいは「どの方法には効果が期待出来ないのか・・・」ということです。

それらの疑問については、今回の講演の中でガイドラインがハッキリ示されました。「どの方法が効果的なのか・・・」「どのようにすれば十分な効果が得られるのか・・・」という情報をしっかり得ることができました。

デジタル矯正の進歩に驚愕!

矯正治療をデジタル化することによって、さまざまなメリットがあります。

今回の講演の中でとくに多く扱われていたトピックスが、「安全性の向上」と「治療結果の向上」についてではないでしょうか。

デジタルを用いることによって、アゴ骨の中で歯根を安全に動かす手段や、口元の改善を考慮した治療計画の方法について多くの情報を得ることができました。

ハイレベルな外科矯正に感動!

アメリカ矯正学会参加の一番の目的は、実は外科矯正についての情報、とくに「サージェリーファースト」についての情報をえることでした。

サージェリーファーストとは、アゴ骨の外科手術を最初に行ったのちに、歯列矯正治療を行うという治療法のことです。

海外では、①治療期間が非常に短い ②顔の歪(ゆが)みを劇的に改善できる という点からサージェリーファーストが積極的に行われています。

外科的矯正治療については、私たちのクリニックでも十分な実績があります。そのため、サージェリーファーストについても開始できる準備はすでに整っているということができます。

しかし、サージェリーファーストを開始するためには、明確なワークフローと一般的な外科的矯正治療との違いを確認する必要があると感じていました。

さいわい、このサージェリーファーストの専門家と、今回の学会で親しくなることが出来ました。

そして、正しいワークフローと現在行っている外科的矯正治療との違いについて、意見交換することができました。

そのため、サージェリーファーストの分野については、積極的に取り組んでいきたいと思います。

業者展示では・・・

新たなマウスピース矯正システムが続々と

アメリカでは、「3M」「SURESMILE」「Dentsply」など主要なメーカーも、マウスピース矯正システムにどしどし参入しはじめています。

どのメーカーを見ても、マウスピース矯正システムを展示するためのスペースにかなりの部分を費(つい)やしています。新たなマウスピース矯正システムへのチカラの入れようは、本当に半端ないといった感じです。

マウスピース矯正システムの種類が多くなるため、「どのマウスピース矯正システムを使用するべきなのか」それとも「複数のマウスピース矯正システムを使い分けする必要があるのか」という判断が非常に大切になってくると思われます。

今回の講演の中でも、「現時点では、どのマウスピース矯正システムを使用するべきなのか」ということについてレクチャーがありました。

デジタル関連も目白押し

新しいマウスピース矯正システムの次に目立っていたのが、「3Dプリンター」および「矯正用ソフトウェア」などのデジタル関連です。

歯型を3Dスキャナーで記録し、そのまま矯正用ソフト上で矯正装置を設計する。3Dプリンターで造形するのは、技工作業を行うための歯型模型ではなく、ソフト上で設計した矯正装置そのもの。

このような矯正装置を製作するためのワークフロー(=作業の流れ)が、すでに完成していることを確認することができました。

このことによって、誤差のない矯正装置を短期間でつくることができるようになるだけでなく、歯型とり作業がまったくない格好でほとんどの矯正装置がつくれるようになったということができます。

その他にも・・・

日本未入荷のチューイーを入手!

日本で購入できるチューイーは、白いチューイーだけです。しかし、アメリカでは、いろんな種類のチューイーを入手することができます。

今回のアメリカ矯正学会では、「ピンク」「イエロー」「グリーン」などかわいいチューイーを見つけました。

それだけでなく、「ミント味」「パイナップル味」「グレープ味」「バブルガム味」など味付きチューイーも入手することができました。

いろんなバリエーションのチューイーを用いるによって、マウスピース矯正が楽しく受けられるようになることを期待しています。

アイテロ エレメント2(iTero Element 2)を体験!

アラインテクノロジー社が、新しい口腔内スキャナー「iTero2(アイテロ2)」を発表したとのことでしたので、さっそく体験してきました。

現在のアイテロの読み取り速度は、非常に高速です。そのため、普段の診療においては、何の問題もなく使用できています。

読みとったデータの正確性についても申し分ないレベルです。そのため、アイテロを用いてつくったマウスピースは歯にしっかりと密着します。

新しいアイテロ2では、①読み取り速度 および ②データの正確性 についても、さらに向上したという話です。

データの正確性については分かりませんが、実際に試してみると読み取り速度が高速化していることがすぐに分かりました。

「欲しい・・・」「日本での販売開始が待ち遠しい・・・」そう感じずにはいられませんでした。

まとめ

アメリカ矯正歯科学会(AAO)は、私自身5年ぶりの参加でした。

今回の講演で感じたことは、世界では矯正治療のデジタル化が急速に進んでいるということです。

業者展示を見まわっても、「矯正ソフトウェア」「マウスピース矯正システム」「3Dプリンター」などの新製品が非常に多いことが分かります。

時代の最先端を突き進むためには、これからも アメリカ矯正学会(AAO)に定期的に参加する必要があると感じました。

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