新年度をむかえると、どの学校でも「学校検診が」または「健康診断」が行われることと思います。

学校検診では、身長や体重、視力の検査を行います。そして、虫歯や歯周病の検査だけではなく、歯並び異常についてもチェックするということは、多くの方がすでに御存知のことと思います。

しかし、学校検診で指摘する歯並び異常は、特定の歯並び異常に限られているということを知っているという方は決して多くないはずです。

そのため、ここでは学校検診で指摘する歯並び異常と、指摘されない歯並び異常について詳しく説明するようにします。

歯並び異常があるのに指摘しないことがあるの?

学校検診では、全部の歯並び異常を指摘するわけではありません。特定の歯並び異常に限り、治療勧告ちりょうかんこく するケースがほとんどです。

なぜ、そのような対応をせざるを得ないのかというと、歯列矯正治療は、健康保険で行うことができないからです。

すべての歯並び異常を指摘したり、軽症の歯並び異常も指摘したりするようにすると、経済的に追い詰められてしまう家庭がでてきてしまうからです。

たとえば、叢生(そうせい)は、アゴ骨がせま く歯がキレイに並びきれていない状態の歯並び異常です。

叢生があっても、学校検診で指摘することは非常にまれ です。

なぜなら、叢生は、緊急性のある異常とはいえないからです。叢生の状態を放置しても、奥歯をすぐにこわ したり、顎関節がくかんせつ が変形したりするリスクが低いからです。

<指摘されることが少ない歯並び異常>

①ガタガタ歯並び(=叢生そうせい

アゴ骨がせま く、歯が乱雑に並んだ状態の歯並びのこと。

八重歯やえば

アゴ骨がせま く、上アゴの犬歯が外側に飛び出てしまった状態の歯並びのこと。

③出っ歯(=上顎前突症じょうがくぜんとつしょう

下アゴに対して、上アゴが前方に突出した格好になっている噛み合わせのこと。

過蓋咬合かがいこうごう

上下の歯をしっかりと噛み合わせた際、下アゴの歯が上アゴの歯に隠(かく)れる格好になる噛み合わせのこと。噛み合わせが、極端に深い様子。

学校検診で指摘する歯並び異常とは・・・

上記で説明したように、歯並び異常があっても、それが緊急性がないものであれば学校検診で指摘することは非常にまれ です。

では、学校検診で指摘するのは、どのような歯並び異常なのでしょうか? 学校検診で指摘するのは、緊急性のある歯並び異常についてです。

つまり、その歯並び異常を放置すると、奥歯をこわ したり、顎関節がくかんせつ を変形したりする危険性が高いものということです。

その代表的なものとして、開咬症(かいこうしょう)が挙げられます。

開咬症とは、奥歯をしっかりと噛み合わせた際、上下の前歯が接触せず離れた格好になっている歯並びのことです。

そのため、開咬症の噛み合わせだと、奥歯には横殴よこなぐ りのチカラが加わるようになり、顎関節がくかんせつ には過度のチカラが加わる格好になります。

その結果、奥歯を噛み割ったり、重度の顎関節症がくかんせつしょう をわずらったりする危険性が高くなるのです。

このように、学校検診で指摘するのは、一刻も早く矯正治療をはじめる必要がある歯並び異常です。そのため、学校検診で治療勧告ちりょうかんこく を受けた際は、矯正歯科に相談に行くようにしてください。

<指摘されることが多い歯並び異常>

開咬症かいこうしょう

奥歯をしっかりと噛み合わせた際、上下の前歯が接触せず離れた格好になっている歯並びのこと。奥歯を破壊したり、重度の顎関節症を発症したりする心配がある。

②受け口(=下顎前突症かがくぜんとつしょう

奥歯をしっかりと噛み合わせた際、下の前歯が上の前歯の前方にくる格好になっている歯並びのこと。「反対咬合はんたいこうごう 」とも呼ばれ、上の前歯を破壊したり、シャクレ顔になったりする心配がある。

③すれ違い咬合(=交叉咬合こうさこうごう

奥歯をしっかりと噛み合わせた際、下アゴが左右いずれかに大きくズレる格好になる噛み合わせのこと。重度の顎関節症がくかんせつしょう を発症する心配があるだけでなく、顔のゆが みがひどくなる心配がある。

本当に緊急性はない?

学校検診では、矯正治療を一刻も早くはじめた方がよいと判断される歯並び異常に限り指摘するということを説明しました。

では、学校検診で指摘を受けなかった「八重歯」「出っ歯」「過蓋咬合かがいこうごう」などの歯並び異常については、そのまま放置しても大丈夫なのでしょうか? 顎関節がくかんせつ を悪くしたり、手遅れになったりする心配はないのでしょうか?

実は、学校検診では指摘されることの少ない歯並び異常についても、できるだけ早い時期に矯正治療をはじめることが望まれます。

なぜなら、「出っ歯」や「過蓋咬合かがいこうごう」も、奥歯や顎関節がくかんせつ に大きな負担がかかる噛み合わせであるといえるからです。そのため、「受け口」や「開咬症かいこうしょう」の場合と同じように、できるだけ早く治療することがオススメなのです。

また、「ガタガタ歯並び」や「八重歯」についても、できるだけ早い時期に歯列矯正することがオススメです。なぜなら、10代と20代では、歯列矯正中の骨細胞こつさいぼう の反応がまったくことなるからです。

そのため、矯正治療における治療期間が大きく違うだけでなく、治療方法や治療結果についても大きな差がでてくるからです。

まとめ

学校検診で治療勧告ちりょうかんこく を受けなかったからといって、歯並びに異常がないわけでは決してありません。なぜなら、学校検診で指摘するのは、一刻も早く治療を開始する必要がある歯並び異常だけだからです。

学校検診で歯並び異常があるとはいわれなかったとしても、矯正治療をした方が良いと判断されるケースが多く存在します。

そのため、学校検診で治療勧告を受けなかった方も、歯並び異常がある場合は矯正歯科でいちど見てもらうようにしてください。

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